K-POPの最新情報をお伝えするコーナー。今回は「포카(ポカ)」と呼ばれる「K-POPアイドルのフォトカード」について解説します。
突然ですが、「アルポ」「ミゴンポ」「スキャンポカ」とは何かご存知ですか?
秘密の暗号ではありません。 答えは…
K-POPアイドル「포카(ポカ)」高額転売の実態
「アルポ」「ミゴンポ」「スキャンポカ」は、韓国のK-POPファンなら馴染みのある、フォトカードを略した言葉です。
「アルポ」は「アルバムフォトカード」、「ミゴンポ」は「未公開フォトカード」という意味があります。
アルバムに封入されている「アルポ」とは違い、「ミゴンポ」は特定のアルバム販売先で制限された時期にだけ買えるため、よりプレミア価値が高いです。
「スキャンポカ」は文字通り「スキャンしたフォトカード」のこと。 オンラインでダウンロードした画像ファイルをスキャナーで印刷して作成されたカードになります。
中古市場でポカへの人気が高まっている
こうしたフォトカードに向けたK-POPファンの収集意欲が年々高まっていると言われており、中古市場でも注目が集まっています。
人気のあるフォトカードは1枚当たり100万ウォン(約11万円)を超える価格で売れるほど。
日本ではゲームのトレーディングカードが高額転売されるケースが多いですが、韓国ではアイドルのフォトカードが同じように価値が上がっているのです。
さらに最近では、フォトカードの中古取引を中継するプラットフォームまで出来ています。
数十万円で取引されるフォトカードも
日本のK-POPファンの皆さんもご存知のように、フォトカードを手に入れる方法はさまざまです。
アルバムを買えばついてくるフォトカードの他に、音楽番組の公開録画やファンサイン会などのイベントに参加すればもらえるフォトカードもありますよね。
また、アイドルが広告モデルになったブランドとコラボレーションをして配布されるフォトカードもあります。
そんなアイドルフォトカードの価格は千差万別です。
通常、「アルポ(アルバムフォトカード)」は1000ウォン~3000ウォンで販売されています。
「ミゴンポ(未公開フォトカード)」や「공방포카(公開放送フォトカード)」はさらに高値です。
Stray Kids(スキズ)ファンの30代女性は、「あるグループの公開放送フォトカードが500万ウォン(約56万円)まで上がった」と語ります。
「公開放送は参加人員が少なくフォトカードは貴重。公開放送に一定回数以上参加しなければ受けられない特別フォトカードはさらに高い」と声をひそめます。
人気歌手の新人時代のフォトカードはなかなか手に入らないため、「いくら安く売れても100万ウォンは軽く超えるほど」といいます。
ポカの人気は国籍を問わない
2024年2月8日、フォトカードポップアップストアが開かれたソウル西橋洞(ソギョドン)のあるスタジオに来場したフランス出身のジャネットさん(26)は、「数え切れないほど多くのフォトカードを収集しました」と語ります。
「いくつかの『公開放送フォトカード』は200ドル(約27万ウォン)程度で買った」と話しました。
また、TOMORROW X TOGETHERのファンであるフランス出身のシドニーさん(28)も、「ポップアップストアで40ドル(約5万ウォン)のフォトカードを買いました。事前購入特典として出たカードなので値段が高かった」と説明しました。
カムバ前にはポカ価格が下落
同じフォトカードでも、いつ売るかによって価格が変わるのです。
前出のスキズファンの女性は、「フォトカードは時期によって価格が株式のように揺れ動きます」と話します。
「アーティストが新しいアルバムを出して活動する直前や直後には、フォトカードの価格が下がります。その間、コンサートやアルバム購入などに必要な「銃弾(資金)」を集めるファンが多いため、フォトカードの売れ行きが悪くなるから」と女性は教えてくれました。
ポカのための大量購入「行き過ぎた商法」という指摘も
アイドルとファンの「架け橋」の概念で作られはじめたというフォトカード。
今やK-POP記念商品の一つとして定着しています。
韓国消費者院が昨年実施したアンケート調査によると、K-POPアルバムを購入した389人のうち半分以上(52.7%)がフォトカードなどのグッズを集めようとする目的だったと答えました。
K-POPアルバムパッケージに含まれるフォトカードは、消費者が直接見て買うことができません。
フォトカードはランダムに封入されるため、狙っているデザイン(メンバー)のフォトカードが出るように大量に買うというファンも少なくありません。
フォトカードを問題視するメディアによると、アルバム1枚に入るフォトカードの種類が78種にのぼる事例もあったそうです。
この場合、消費者は希望するフォトカードが出るまでアルバムを数枚買うことになります。
一部ではフォトカードなどランダムグッズマーケティングが消費者基本法第4条に反しており、違法性を助長しているという批判が出たこともあります。
これにより韓国の公正取引委員会は昨年8月に大型K-POP企画会社がフォトカードで不公正取引をしたかどうか現場調査を行ったと発表しましたが、その後の進捗が知らされることはなく、何の措置も取られませんでした。
フォトカードに詳しい人物は「色々な販売先に『未公開フォトカード』を提供して、ファンに集めるべきフォトカードを増やすなど、企画会社の行き過ぎた商法に対してK-POPファンの不満が大きくなっている」と批判しました。
韓国消費者院関係者は、韓国クッキーニュースとの通話で「ランダムグッズは企画会社のマーケティング方式の一つであり、法に抵触するとまでは言えない部分がある」としながらも、「グッズ収集のために不必要なCDを大量購入後に廃棄する行為を予防するためには、グッズをアルバムとは別で販売するような法案が必要だ」と話しました。